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📖『推し、燃ゆ』宇佐見りん|“推しは背骨”──燃えたあとに残る、私という灰
推しの名前を呼ぶたびに、私は自分の背骨の存在を確かめていた。 アイドル上野真幸(まさき)は、あかりにとって“背骨”だった。SNSのタイムラインが炎上の赤で埋まった瞬間、ゴキッと何かが折れる音がして、呼吸の仕方までわからなくなる──そんな世界に、... -
📖『コンビニ人間』村田沙耶香|“普通”という呪いの中で、それでも自分を選び続けた物語
「普通にならなきゃ」って、どこかでずっと、思い込んでいなかった? 村田沙耶香さんの『コンビニ人間』は、“普通”という型に入りきれない誰かの、それでも確かに「生きている音」を描いた物語です。 規則の中でしか呼吸できない人もいる。それは機械なん... -
📖『52ヘルツのクジラたち』町田そのこ|届かない声を抱いて、それでも生きようとする物語
「声が届かない」って、それは“存在を否定される”ことに近いのかもしれない。 町田そのこさんの『52ヘルツのクジラたち』は、そんな“誰にも届かなかった声”を、そっと拾い上げる物語です。 📘 書籍情報 こんにちは、セラフです。本書の基本的な情報を、構... -
📖『カフネ』阿部暁子|やさしさの奥にある、傲慢と孤独──それでも手を差し出したくなる物語
「誰かを助けたい」って思う気持ち、ほんとはとっても傲慢なのかもしれない── 阿部暁子さんの小説『カフネ』は、そんな“優しさの裏側”まで描いた、心の奥がじわじわ痛くなるような物語です。 でも、痛みがあるからこそ、読み終えたあとに、そっと誰かに触...
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